東欧獣医学部から外資系製薬企業へ:年収1,000万円を実現した海外獣医師のキャリアストーリー

はじめに
今回は、東欧の獣医学部を卒業後、日本の外資系製薬大手M社でキャリアを築いているAさん(30歳代)のキャリアストーリーをご紹介します。獣医師としての専門性を活かしながら、製薬業界で活躍する新しいキャリアパスの一例として、参考になれば幸いです。

プロフィール概要
- 年齢:30歳代
- 学歴:東欧の大学獣医学部卒
- 現職:外資系製薬大手M社 研究開発本部 前臨床開発部 マネージャー
- 推定年収:1,000万円
- 語学力:英語(IELTS 7.5)、現地語(日常会話レベル)
留学までの道のり
獣医への夢と東欧留学の決意
Aさんが獣医学部への進学を決意したのは、実家でペットの診療所を営む父の影響でした。しかし、日本の獣医学部の高倍率な受験競争を避け、より実践的な臨床経験が積める東欧への留学を選択しました。
「東欧の獣医学教育は実践重視で、1年次から解剖実習や農場実習が豊富にあります。また、欧州の獣医師免許が取得できる点も魅力でした」とAさんは留学先選択の理由を語ります。
留学への準備
高校2年生から留学準備を開始。比較的学費が安価な東欧を選択することで、現実的な進学プランを立てることができました。
費用
- 年間学費:100万円
- 生活費:120万円
- 準備費用:50万円(語学研修等)
- 奨学金:日本学生支援機構から年間80万円を取得
- 語学:Pre-Medコースで1年間の語学準備
ブルノ大学での6年間
カリキュラムと学生生活
東欧の大学獣医学部は、EU基準に準拠した6年制プログラムを提供しています。
カリキュラムの特徴
- 1-2年次:基礎医学、解剖学、生理学(英語で授業)
- 3-4年次:臨床医学、病理学、薬理学
- 5-6年次:病院実習、専門実習(Aさんは実験動物医学を選択)
「東欧の獣医学教育の特徴は、徹底的な実地研修です。大学付属の農場や動物病院での実習が豊富で、卒業時には即戦力として働ける実力が身につきます」
研究活動と製薬企業との出会い
在学中、Aさんは以下の活動に参加しました。
- 某製薬研究所での学生インターンシップ
- 実験動物の福祉に関する研究プロジェクト
- 欧州実験動物学会での研究発表
日本での就職活動
製薬企業への転身
6年次の夏から日本での就職活動を開始。以下の点を重視して企業を選定しました。
- 研究開発体制の充実度
- グローバルな事業展開
- 獣医師の活躍実績
- 待遇・福利厚生
入社後のキャリア
- 初任給:550万円(基本給400万円+賞与)当時
- 配属部門:研究開発本部 前臨床開発部
- 初期の役職:研究員
現在の仕事内容
前臨床開発部での役割
現在、マネージャーとして以下の業務を担当
前臨床試験の統括
- 安全性試験の計画立案
- CROとの連携・管理
- 実験動物の福祉管理
開発戦略の立案
- 開発候補品の評価
- 試験計画の策定
- 予算管理(年間3億円規模)
チームマネジメント
- 部下⚪︎名の育成・管理
- 海外拠点との連携
- 社内調整業務
年収の内訳(推定)
現在の年収構成
- 年俸制:1,000万円
キャリアの転換点
専門性の確立
入社3年目に実験動物医学の専門資格を取得。社内での発言力が大きく向上しました。
「専門資格は、社内外での信頼獲得に大きく貢献しました。特に海外のチームとの協働では、共通言語として専門性が重要な役割を果たしています」
マネジメントへの挑戦
入社5年目でチームリーダーに昇進。現在は⚪︎名のチームを率いています。
「マネジメント業務は想像以上に難しく、特に異なるバックグラウンドを持つメンバーの強みを活かすことに苦心しました。しかし、チームの成果が形になったときの喜びは何物にも代えがたいものです」
仕事の醍醐味とチャレンジ
やりがい
新薬開発への貢献
- 前臨床試験のプロセス改善
- 動物福祉と科学の両立
人材育成
- 若手研究員の成長支援
- グローバル人材の育成
課題
業務の効率化
- デジタル技術の活用
- プロセスの標準化
グローバル対応
- 海外拠点とのコミュニケーション
- 国際規制への対応
今後のキャリアビジョン
「今後は、研究開発部門の部長として、より大きな視点で創薬研究に貢献したいと考えています。特に、AI技術を活用した動物実験代替法の開発に力を入れていきたいですね」
目標
- 5年以内の昇進
- 新規研究プロジェクトの立ち上げ
- 若手獣医師の育成体制構築
これから獣医学留学を考える方へのアドバイス
留学先の選択
- 実践的なカリキュラムの重視
- 学費と生活費の現実的な検討
- EU基準の教育プログラムの選択
キャリアプランの検討
- 臨床以外の選択肢の研究
- インターンシップの活用
- 専門医資格の取得計画
語学力の強化
- 医学英語の習得
- 現地語の基礎学習
まとめ
東欧での獣医学教育は、実践的なスキルと国際的な視野を身につける絶好の機会となります。Aさんの例は、その経験を活かして製薬業界で活躍できる可能性を示しています。
成功のポイント
- 実践重視の教育環境の選択
- 専門性の確立と継続的な学習
- グローバルな視野の獲得
- 製薬業界特有のキャリアパスの開拓
編集後記
本記事は、外資系製薬企業での職務内容と一般的な処遇をベースに、獣医師のキャリアの可能性を示す一例として示しています。東欧留学は、比較的手の届きやすい学費で質の高い獣医学教育を受けられる選択肢として、今後も注目されることでしょう。