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ルーマニアの医学教育制度と医師資格取得プロセスについて[ルーマニア編]

目次

ルーマニアの医師資格取得プロセス

ルーマニアでは、医学部を卒業しただけでは医師資格が自動的に付与されません。これは当該国の専門医制度を俯瞰することでより理解できるため、専門医制度と併せて以下に解説いたします。

ルーマニアの医学教育制度

ルーマニアの専門医制度の要件

ルーマニアで専門医資格を取得するには、まず国家から認定された高等教育機関(大学)で医学、歯学の場合は 6 年以上、薬学であれば 5 年以上学び、大学の卒業資格[diploma]を取得する必要があります。ルーマニアでは、この段階で医師資格が与えられるのではなく、卒業時にはあくまで学位[diploma]が授与されます。研修医になるには、その後の専門医課程への申請が必要であり、その登録をもって研修医の資格を得ることになります。

語学の必要性

専門医課程に進むためにはルーマニア語を話す能力が求められます。これは、医療現場でルーマニア語を使用する必要があるためであり、ある一定レベルの語学力・スキルを持たない場合、専門医課程に進むことができません。つまり、学位と語学力要件を満たした上で、国家のシステムに登録することが専門医課程への参加条件となります。

申請書類の提出

専門医課程に入学するためには、多くの書類を準備し、提出する必要があります。これらの書類には、大学卒業証書や学業成績証明書、健康診断書などが含まれます。このプロセスは、単に医学部を卒業しただけでは済まず、さらなる手続きが必要であることを示しています。

医師となる適格要件の確認プロセス

下記「必要な書類」に関する項でも触れますが、必要書類の中には「精神疾患、伝染病、その他医療専門職として不適合な疾患を有していないことを証明する診断書」が含まれており、これは医師が公共の健康と安全を保証するために必要な要件となっています。したがって、医学部を卒業しただけでは医師としての資格は付与されません。

研修プログラムの存在

専門医としての地位を得るためには、ルーマニアの専門医研修プログラムに参加する必要があり、これは単に学業を終えただけでは充足されません。専門的な研修を経て、初めて専門医資格が得られるため、医学部卒業と医師資格取得はまったく別のステップであることがわかります。

ルーマニアでの専門医プログラム

専門医プログラム(レジデンシー)への応募について、非EU/EEAおよびスイスの居住者候補者向けの重要なポイントを以下にまとめました。

ルーマニア語準備コースへの登録

すべての外国人は、レジデンシー・プログラムに正式に登録する前に、必修のルーマニア語準備学コースに登録する必要があります。そこでルーマニア語を学び、B2レベルの学術目的のルーマニア語修了証明書を取得することが求められます。

必要な書類

ルーマニア語修了証明書取得後に、以下の書類を提出する必要があります。

  • 入学許可書
  • 高校及び大学の卒業証明書と学業成績証明書
  • ルーマニア語修了証明書
  • パスポートのコピー
  • 出生証明書
  • 健康診断書
  • 授業料の支払い証明

報酬、及び費用の違い


ルーマニアの研修プログラムにおいて、EU/EEA出身の医師は報酬が支払われる一方で、非EU/EEA出身の医師は給与が支払われず、研修費用が発生します。申請ファイルの選択により、自己負担の形態で登録されることになります。

専門研修プログラム期間について

ルーマニアの医学における医療専門分野 

  • 臨床アレルギー学と免疫学:5年
  • 麻酔と集中治療 5年
  • 感染症学:5年 5年
  • 心臓病学:6年
  • 小児心臓病学:5年
  • 皮膚・性病科:5年
  • 糖尿病、栄養、代謝性疾患 5年
  • 内分泌学:5年
  • 労働能力に関する医学的専門知識:4年
  • 臨床薬理学:4年
  • 消化器病学:5年 
  • 小児消化器:5年 
  • 遺伝学 4年
  • 老年学・高齢者学:5年    
  • 血液学:5年
  • 家庭医学 4年
  • 救急医学 5年 
  • 内科: 5年 5年
  • リハビリテーション医学 5年
  • 労働医学 4年
  • スポーツ医学 4年
  • 腎臓内科:5年
  • 小児腎臓学:5年
  • 新生児学:5年
  • 神経学:5年
  • 小児神経学:5年
  • 腫瘍内科:5年       
  • 小児腫瘍・血液学:5年  
  • 小児科:5年 5年 
  • 肺科学:5年   
  • 小児肺:5年
  • 精神科:5年
  • 小児精神科:5年        
  • 放射線治療:4年
  • リウマチ学:5年
  • 心臓血管外科 6年
  • 一般外科 6年
  • 口腔・顎顔面外科 5年
  • 小児外科 5年
  • 形成外科、美容外科、再建マイクロサージェリー 6年
  • 胸部外科 6年
  • 血管外科 5年 
  • 脳神経外科 6年
  • 産科-婦人科:5年
  • 眼科: 4年
  • 小児整形外科: 6年
  • 整形外科・外傷学:5年
  • 耳鼻咽喉科:5年
  • 泌尿器科:5年
  • 病理解剖学:5年 
  • 疫学:4年   
  • 衛生学:4年  
  • 臨床検査医学 4年 
  • 法医学 4年
  • 核医学 4年
  • 医療微生物学: 4年
  • 放射線医学・医療画像学 5年    
  • 公衆衛生と管理 4年

ルーマニアの歯科における医療専門分野 

  • 歯槽骨外科 3年
  • 歯列矯正および歯科顔面整形外科:3年
  • 歯内療法学 3年
  • 歯列矯正学:3年
  • 歯科補綴:3年
  • 小児歯科:3年 3年

ルーマニアの薬学における医療専門分野

  • 薬学のレジデンシープログラム
  • 臨床薬学 3年
  • 薬学研究室 3年

以上、ルーマニアでは医学部卒業時に医師資格が自動的に付与されないことが明らかです。幸い外国からの留学生に対しても語学要件さえ満たせば、非EUの日本人に対しても専門医課程に進級できる制度がしっかりと整備されているため、さらなる高みを目指す学生にとっては可能性を感じられる留学先となっております。

最後に

何故、医師資格について概説しているかというと、世界では留学したその国の学位をもって、母国の国家試験受験認定をしているのに対して、我が国では、⑴ 医師国家試験受験資格認定、並びに ⑵ 医師国家試験予備試験受験資格認定とが存在し、過去において学位記のシリアル番号を医師免許番号などと偽り、そのまま本試験認定になったケースが存在することを独自調査から把握しているため、消費者保護の観点より、事業者としてはしっかりと説明責任者を果たす必要があると判断したからである。

出展: Postgraduate Medical Study in Romania

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